2015.09.4

三菱電機が過去最高のM&AでイタリアのDeLclima S.p.A.(デルクリマ社)を買収

三菱電機過去最大のM&A

今月25日、三菱電機がイタリアの業務用空調メーカーであるデルクリマ社を買収することを明らかにしたという報道をご存知でしょうか?

三菱電機にとって過去最大のM&Aとなり、日本に次ぐ重要市場と位置づける欧州で空調機器の品揃えを増やすとの事です。

なお、株式の取得実行日は平成27年11月30日としています。

取得価格総額約902億円|三菱電機最大のM&Aの内容とは?

デルクリマ社は、大型ビルや工場の空調に使われる「チラー」と呼ぶ機器に強みを持っています。

これは、冷温水をつくって室内機に送り室温を調節する装置で、同社は欧州のチラー市場で約10%のシェアを握っており、今回のM&Aは三菱電機にとっては弱い分野の強化といえます。

また、これにより三菱電機は、双方の販路における相互製品販売(クロスセル)による規模拡大や空調ソリューション対応の強化、デルクリマ社製品のさらなる付加価値向上等を見込んでいるとの事です。

三菱電機社長が語る「M&A(買収)の狙いは事業のバランス」

三菱電機はエアコンを含む家庭電器事業の規模を拡大する必要があり、連結売上高約4兆3000億円のうち、発電機や送配電機器の「重電システム」と、製造業の工場で使う自動化機器など「産業メカトロニクス」がほぼ3割ずつを占め、収益のけん引役となっています。

しかし、最近は両部門を取り巻く環境が厳しくなっているようです。

15年4~6月期の決算では、重電システム部門は66億円の営業赤字、これは国内市場の伸び悩みで競争が激化しているためです。

逆に産業メカトロニクスは前年同期比で増益になりましたが、これも主要な販売先である中国の経済成長の減速が懸念されているため、大手を振って喜ぶわけにはいかなさそうです。

これを受け、柵山正樹社長は「景気変動の影響を受けやすい事業と受けにくい事業のバランスをとる」と買収の狙いを説明しています。

事業拡大の鍵|シナジー効果を狙ったM&A

前項でも述べましたが、今回は他社の海外拠点を活用したグローバルな展開の強化や、シナジー効果を出すことによってさらなる競争力を図り、事業拡大を狙うM&Aでした。

私たち福島・郡山M&Aセンターでも、このような一方的ではない、双方の強みを生かし、シナジー効果を狙ったM&Aのお手伝いをさせていただいています。

M&Aをお考えの方は一度ご相談ください。