2026.08.26
「金融所得課税が30%に引き上げられる」と聞いて、「株を売ったら30%も税金がかかるの?」と思った方もいるかもしれません。
2027年からは、非常に大きな所得がある人を対象とする「ミニマムタックス」の仕組みが見直されます。
特に、M&Aで会社を売却し、経営者個人に大きな株式譲渡益が発生する場合には、税負担や売却後の手取り額に影響する可能性があります。
そもそも「ミニマムタックス」とは?

「ミニマムタックス」とは、所得が非常に大きい人について、所得税の負担が低くなりすぎないようにするための仕組みです。
給与や事業による所得は、所得が増えるほど税率が高くなる一方、株式の売却益などには原則として一定の税率が適用されます。
ミニマムタックスは、こうした所得の違いによって税負担が低くなりすぎることを防ぐため、一定の高所得者に追加の税負担を求める仕組みです。
2027年から何が変わる?
「2027年分の所得税から、ミニマムタックスの仕組みが強化されます。
| 項目 | 現在 | 2027年から |
|---|---|---|
| 特別控除額 | 3.3億円 | 1.65億円 |
| 計算に使う税率 | 22.5% | 30% |
特別控除額が引き下げられ、計算に使う税率も引き上げられるため、ミニマムタックスによる追加の税負担が生じる可能性のある人が増えることになります。
ただし、通常の株式売却益が一律30%課税になるわけではありません。
ミニマムタックスの改正がM&Aに与える3つの影響
① 会社ではなく「売却した経営者個人」が対象

「まず押さえておきたいのは、対象となるのは会社ではなく、自社株式を売却した経営者などの個人だという点です。
例えば、福島県郡山市の中小企業経営者がM&Aで自社株式を売却し、非常に大きな株式譲渡益が発生したとします。
この場合、所得の状況によっては、通常の株式譲渡課税に加えて、ミニマムタックスによる追加の税負担が発生する可能性があります。
なお、対象となるかどうかは、株式の売却益だけでなく、その年の所得全体などを踏まえて判断されます。
② 「売却価格」と「手取り額」は別物になる

「会社を高い金額で売却できても、株式譲渡に伴う税金などを差し引くと、実際に手元に残る金額は変わります。
特に、経営者個人に非常に大きな株式譲渡益が発生するM&Aでは、今回のミニマムタックスの見直しによって、税負担がこれまで以上に重要な検討事項となる可能性があります。
そのため、M&Aでは、「いくらで売れるか」→「税金はいくらかかるか」→「最終的にいくら手元に残るか」という視点で考えることが大切です。
③ 売却時期の検討にも影響する可能性がある

「今回の改正は、2027年分の所得税から適用されるため、M&Aによる株式譲渡のタイミングが2026年中か、2027年以降かによって、同じ譲渡益でも税負担が変わる可能性があります。
ただし、税制だけを理由にM&Aの実行時期を決めるべきということではありません。
M&Aでは、相手企業との交渉や企業価値の評価、契約、デューデリジェンスなど、実行までに一定の時間がかかることを踏まえ、売却を検討している経営者は、「いつ売るか」だけでなく、「どのタイミングで準備を始めるか」についても早めに考えておくことが重要です。
税負担を含めた資金計画を確認しながら、自社にとって適切なタイミングを検討することが大切です。
福島・郡山の中小企業にも関係する?

「福島県や郡山市の中小企業でも、M&Aによって経営者個人に大きな株式譲渡益が発生する場合には、今回の改正が関係する可能性があります。
つまり、企業の所在地や規模ではなく、M&Aによって経営者個人にどの程度の所得が発生するかがポイントになります。
M&Aを考えているなら、早めの準備が大切
「M&Aは、実際に「会社を売却する」と決めてから動き始めると、十分な検討時間を確保できない場合があります。
- 「まだ売却するつもりはないけれど、将来的にM&Aも選択肢になる」
- 「自社の価値がどのくらいなのか知りたい」
- 「M&Aと親族・従業員への事業承継のどちらがよいか考えたい」
「このような段階から準備を始めることで、自社の財務状況や企業価値を確認し、売却する・しないを含めて複数の選択肢を比較できます。
M&Aの実行には一定の時間がかかるため、税制の変更も含め、早めに専門家へ相談しておくことが大切です。
M&A・事業承継について、まずはお気軽にご相談ください

「まだ売却するか決めていない」
「自社の価値がどのくらいなのか知りたい」
「将来の事業承継について早めに考えておきたい」
このような段階でのご相談でも問題ありません。
M&Aは、売却を決める前から準備しておくことで、将来の選択肢を広げることができます。
M&Aや事業承継を検討されている経営者の方は、福島・郡山M&A支援センターへお気軽にご相談ください。









