事業譲渡後のリアルな体験談|水産加工の技術と雇用を未来へつないだ選択

技術と人を守るために、会社を未来へつなぐ選択をした

水産加工の現場で積み上げた
「目利き」「加工技術」「人脈」
それを途切れさせないために選んだ、事業譲渡後のリアル

私は長年、福島県で水産加工の仕事をしてきました。
いわば“目利きと加工の技術と人脈”で成り立つ会社です。
良い魚を仕入れること、適切に処理すること、そして顧客に合わせて製品を仕上げること。
それは経験と技術の積み重ねであり、教科書だけでは身に付かない世界です。

業界の厳しさと、限界を感じた瞬間

海神のほっけの干物

ただ一方で、水産加工の業界は非常に厳しい現実があります。
原料価格の変動、人件費の高騰、輸送コスト、衛生管理基準、生産の効率化、そして販路の確保。
これらの課題を一人で抱え込むのは簡単ではありません。
私自身も高齢となり、後継者がいない状態で、今の体制を続けることに限界を感じていました。

自分が現場を離れたら、会社が立ち行かない不安

会社は私自身の知識とネットワークが大きな柱となって事業を回していたので、仮に私が現場を離れたとき、会社が立ち行かなくなるのではないかという不安は常にありました。
その不安は、私だけでなく従業員も感じていたと思います。
彼らは技術も熱意もあるのですが、経営面や資本面のバックアップが不足していました。

M&Aは「売る話」ではなく、未来につなぐための選択

そこで私は、M&Aという選択肢を真剣に検討するようになりました。
単に会社を譲るという話ではなく、「会社を未来に繋ぐ仕組みを整えること」が目的でした。
買い手がどこでも良いわけではなく、水産加工の事業を理解し、従業員や取引先との関係を守り、必要な部分に投資できる相手が必要でした。

譲渡後も現場に残るという選択

譲渡企業と出会ったことで、会社に新しい選択肢が生まれました。
譲渡後も私は会社に残り、現場の技術と知識を従業員に落とし込む役割を続けています。
一方で、経営判断や資本投下、補助金や助成金の活用、外部パートナーとの連携といった“経営の領域”は譲渡先に任せることで、できることが一気に増えました。

譲渡後に動き出した挑戦

水産加工の現場では、規模を拡大したいと思っても資金の問題や人材の問題で踏み出せないことが多くあります。
しかし譲渡後は、設備投資や新しい製品開発、営業先の拡大、働き方の見直しなど、これまで手の届かなかった部分に挑戦できるようになりました。

海神のレンジアップ調理干物

BtoBの領域でも評価をいただけるようになり、事業の先行きに明るさを感じています。
補助金や助成金を活用できるようになったことも大きいです。

水産加工の現場では、漁獲や原料の波に左右される中で、成長投資を行う余力が生まれにくい。
ただ、外部資本と伴走が入ることで、会社としての“戦う力”が高まりました。
輸出についても今後視野に入れています。
水産加工品の品質は海外でも評価されやすく、可能性は十分あります。

もし、あのとき決断していなかったら

振り返れば、M&Aは会社を終わらせる選択肢ではなく、未来をつくるための選択でした。
もし私が高齢とともに徐々に事業を縮小し、そのまま終わらせていたら、技術もネットワークも従業員も行き場がなかったでしょう。
譲渡によって守られたものは多く、広がったものも多くあります。

同じ不安を抱える経営者の方へ

同じように事業承継の不安を抱える経営者の方には、会社を譲るということは“諦め”ではなく“次に渡す”ということであり、自分自身も会社も従業員も救うことができる選択肢であるとお伝えしたいです。
会社の成長を今も見届けながら、あのとき決断したことは正しかったと実感しています。

一人で悩まず、まずは話してみませんか

小林 慎吾
担当者より
水産加工をはじめ、現場の技術や経験が事業の核になっている会社ほど、「自分がいなくなったら続かないのではないか」という不安を抱えがちです。
実際にご相談いただく中でも、後継者や資金面の問題だけでなく、技術や人をどう引き継ぐかに悩まれている経営者の方は少なくありません。
この事例のように、事業譲渡は「すべてを手放す」ことではなく、現場に関わりながら、経営や投資の部分を新しい体制に任せるという形もあります。
まずは今の状況を整理し、どんな選択肢があるのかを一緒に考えるところからで大丈夫です。
将来への不安を一人で抱え込まず、ぜひ一度、率直なお気持ちをお聞かせください。
(取締役社長 小林 慎吾)

中小企業の事業承継・経営立て直し相談 運営:株式会社エスアンドシー福島・郡山M&A支援センター

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